
映画 『ネファリアス(Nefarious)』 は、2023年公開のアメリカ製作心理スリラー/宗教ホラー作品。
監督は チャック・コンザルマン 、キャリー・ソリモン
主演
ショーン・パトリック・フラナリー(死刑囚エドワード役)、
ジョーダン・ベルフィ(精神科医マーティン役)。
舞台は死刑囚監房。
死刑執行を控えた囚人エドワードは「自分は悪魔に憑依されている」と主張する。
精神鑑定のために呼ばれた精神科医マーティンは彼を妄想だと断じるが、面談の中で次々と語られる悪魔的知識と人類への警告に、理性と信念を揺さぶられていく――。
『エクソシスト』のような派手な悪魔祓いはなく、言葉と会話劇だけで観客を震え上がらせる知的ホラー。
「悪魔は実在するのか?それとも人間の心が生んだ幻想なのか?」というテーマを描き出す。
あらすじ完全版(ネタバレあり)
序盤:死刑囚との面談
死刑囚 エドワード・ウェイン・ブレイク は、今夜電気椅子で処刑される予定。
その前に精神鑑定を行うため、精神科医 ジェームズ・マーティン博士 が刑務所に呼ばれる。
エドワードは面談の冒頭で驚くべき告白をする。
「俺はエドワードじゃない。俺の中にいるのは 悪魔ネファリアス だ」

中盤:悪魔の告白
マーティンは冷静に「妄想」だと分析するが、エドワードは人間離れした知識を次々に披露する。
中絶や暴力を「我々悪魔の最大の武器」と語る
社会の堕落を「人類の自滅」と嘲笑
マーティン自身の心の闇や過去の選択を正確に指摘
言葉の一つひとつが論理では説明できず、マーティンの信念は揺さぶられていく。

クライマックス:死刑執行
死刑の時間が近づく。
エドワードは「俺は死なない。肉体だけが滅ぶ」と宣言。
電気椅子で処刑される瞬間、彼は叫ぶ。
「エドワードは死ぬ!だが私は生きる!」
その言葉と同時に処刑は執行され、肉体は滅びた。
だが「ネファリアス」という悪魔は消えていないことを強く示唆する。
ラスト:悪魔の勝利
数日後、マーティン博士は本を執筆する。
しかしその文章の冒頭は、まるで悪魔が書かせたかのような言葉で始まっていた。
悪魔は人間の心に巣食い、死んでもなお新たな宿主を得て生き続ける――。
物語は「悪魔の勝利」を示す不気味な余韻とともに幕を閉じる。

感想・レビュー
主演 ショーン・パトリック・フラナリー の怪演は圧倒的。
表情・声色だけで「人間と悪魔の境界」を演じ分ける。
ホラーというよりも哲学的で宗教的。
→ 派手なジャンプスケアを期待すると肩透かしだが、言葉の重さで精神を削られるタイプの恐怖。
ラストは不安と疑問を残したまま終わり、観客自身に「悪魔は存在するのか?」を問いかける。
『ネファリアス』は、悪魔祓いや派手な儀式は一切なし。
密室での「会話」だけで恐怖を生み出す異色の心理スリラーです。
人間の罪や社会問題を「悪魔の武器」として描くメッセージ性は、ホラーを超えて宗教・哲学の領域にまで踏み込んでいます。
