
原題:Talk to Me
公開:2022年(オーストラリア)、2023年世界公開
監督:ダニー&マイケル・フィリッポウ兄弟
ジャンル:ホラー、オカルト、青春ドラマ
特徴:YouTube出身監督によるデビュー作/SNS世代にフィットする恐怖演出
『トーク・トゥ・ミー』は怖さだけじゃなく、若手キャストの演技力がエグいんです。
観客を「霊に憑かれてるのか?」って錯覚させるレベルで、本気の芝居を見せてくる。
登場人物
ミア:主人公。母を自殺で亡くし、喪失感と孤独を抱える女子高生。
ジェイド:ミアの親友。弟ライリーを大切にしている。
ライリー:ジェイドの弟。純粋で心優しいが、儀式に巻き込まれる。
ダニエル:ジェイドの彼氏であり、ミアの昔の片思い相手。
ミアの父マックス:不器用で距離があるが、娘を守ろうとする。
母ルシーの霊:ミアの前に現れるが、本当に母なのかは疑わしい。
ストーリー詳細(完全ネタバレ)
序盤:都市伝説の「手」
映画は衝撃的なオープニングで始まる。
ある若者が儀式で霊に取り憑かれ、暴走し自分を刺す。ここで**「手の危険性」**が強烈に印象付けられる。

その後、ミアが登場。母を亡くして2年、孤独を抱えながらもジェイドの家族に救いを求めている。
ある夜、若者グループが集まるパーティーで「白い手の置物」が披露される。
ルールはシンプル:
1. 手を握り「Talk to me」と言うと霊が見える
2. 「I let you in」で霊を体に招く
3. 90秒以内に手を放すこと
ミアは挑戦し、恐ろしい霊を目撃。しかし興奮と快感に取り憑かれ、すぐに「もっとやりたい」と言い出す。

中盤:禁断の快楽と事故
仲間たちは儀式を「ゲーム」として楽しみ始める。憑依すると異常な声や動きを見せ、周囲はそれを面白がって動画に撮る。
これはまさに現代のSNS依存や危険チャレンジのメタファー。
やがてライリーも参加したがる。ジェイドは止めるが、ミアが後押ししてしまう。
儀式を始めたライリーの前に現れたのは――ミアの母らしき霊。
「まだそばにいる」と語りかける母を信じたいミアは、ルールを破り、ライリーを90秒以上憑依させてしまう。
するとライリーは悪霊に体を乗っ取られ、壁に頭を打ちつけ、自分の顔を血まみれにする。
惨状により、彼は病院へ運ばれる。
後半:崩壊していくミア
ライリーの事件後、仲間たちは恐怖におののき、ミアを責める。
しかしミアは罪悪感と同時に「母の霊に会える唯一の手段」を捨てきれず、再び儀式を繰り返す。
その過程でミアは幻覚と現実の区別がつかなくなっていく。
父が自分を傷つけようとする幻覚を見る
母の霊に「父は本当のことを隠している」と囁かれる
「自殺ではなく事故だった」という嘘を信じさせられる
母の霊は優しい言葉をかけるが、観客にはそれが悪霊の罠であることが次第に見えてくる。
クライマックス:選択の時
ライリーは病院で意識不明のまま。
悪霊たちは「ライリーを完全に連れていく」と狙っており、ミアはそれを阻止するため「ライリーを死なせれば魂を解放できる」と信じ込み、彼を病院から連れ出す。
橋の上で、ライリーを車道に突き落とそうとするミア。
しかし最後の瞬間――突き落とされたのはミア自身だった。
ラスト:視点の反転
ミアは路上で息絶え、現実から切り離される。
気づくと、真っ暗な空間に取り残され、遠くの灯りに手を伸ばす。
そして次のシーンでは、別の国のパーティーで若者たちが「手」を使った儀式を行っている。
そこで呼び出された霊は――ミア。
今度は彼女が「死者」として永遠に儀式に利用される側になったのだった。
感想
依存と快楽、霊との交信はドラッグやSNSチャレンジと同じ。快感に酔い、破滅へ向かう。
母を失った悲しみから逃げられなかったミアは、自分の命を差し出す形でしか向き合えなかった。
観客を「生者から死者の視点」へ強制的に移すことで、恐怖を倍増させていました。
この映画、怖さだけじゃなくて キャスト全員の生々しさ がやばい。
若手のフレッシュさと、ミランダ・オットーのベテラン感がぶつかり合って、めちゃくちゃリアルな「今のティーンの地獄」を作り上げてる。
特にソフィー・ワイルドとジョー・バード。
この二人の演技は絶対にホラー史に残る。
ホラー好きなら絶対見るべき!
